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毒物学の概要

毒物が系統的に研究されるようになったのは16世紀で、医師のパラケルスが毒物の化学的性質を始めて強調しました。 パラケルスは、 「あらゆる物質は毒である。毒でない物質はない。正しい投与量が毒物と薬を分ける。」 と言いました。どんな薬や食べ物も、過剰摂取は体に毒ですね。その気になれば塩で死ぬことだってできます。
その頃主に使われていた毒は砒素でした。 入手しやすい、味がない、症状が似ている病気が多いということで殺人向きの毒物だったからです。 しかし現在は砒素で殺されたかどうかは検死で分かってしまいます。以下にその検査方法を示します。

1.死体の意を内容物ごと切り取って刻み、煮込む。
2.残った肉をこし取り、液体を硝酸で処理する。ここで存在する砒素が砒酸に変わる。
3.それらを加熱しその蒸気を冷たい板にかざすと、砒素酸化物の白い膜ができる。

これは昔の方法ですが現在は改良されて、微量な砒素も検出できるようになりました。 マーシュテストと呼ばれるものですが、砒素酸化物の白い膜(砒素鏡)の形成を確認することは同じです。

毒物反応は3つに分類できます。薬理学的反応は中枢神経に損傷を与えるもの。病理学的反応は肝臓に損傷を与えるもの。 遺伝子毒性反応は、良性あるいは悪性の腫瘍を作りだすもの(通常は20年から40年かかる。)
有毒物質は様々な形で存在し(気体、液体、固体、動物、鉱物、植物)、 経口、吸入、皮膚からの浸透によって体内に取り込まれます。毒物は一般的に一度に大量に取り込まれるか、 時間をかけて蓄積されます。後者は意図的に利用されることがほとんどで、、ひそかに被害者の健康を損ない、 死亡しても疑いを招かないようにします。